撮影の舞台裏で

先日、本ブログにて、いわてイノベーション推進リサーチパーク事業の広報動画撮影に関するお話をさせていただきましたが、その舞台裏でちょっとしたトラブルが発生していました。

それは、撮影前日の2026年2月4日(水)のこと。
念のため、鋳型造型機の動作確認をしておこうと装置を動かしたところ、完成した鋳型を反転させるためのアーム(下図赤枠部)が動きません。

 左:正常時(アームが上昇する)
 右:今回の不具合(アームが上昇しない)

これはまずいと思い、急いで装置メーカーに連絡したところ、すぐに点検手順書を送ってくださいました。

手順書に従い、各部を点検していきます。

電磁弁の作動、ヨシ!
油圧系統の油量、ヨシ!

とここで、装置の背面側に今まで開けたことのない扉があることに気付きました。

扉を開けてみると、そこには、反転アームを上下に動かすためのローラーとガイドレールが見えました。
そして、目を疑う光景が広がっていました。
鋳型の造型時にこぼれた砂が大量に詰まっていたのです。
(写真は撮り忘れました)

前回の使用から間が空いていたため、砂の水分が完全に抜けて固まってしまい、ローラーとガイドレールの間に挟まって、反転アームが動けなくなっていたものと思われます。

 左:装置背面側の扉を開けた様子
 右:ローラーとガイドレール(清掃後)

砂をきれいに取り除くと、反転アームは正常に動くようになりました。

 左:反転アーム上昇
 右:鋳型の反転

いろいろありましたが、鋳型造型機への理解が深まった出来事となりました。
「使いたいときに動かない」をなくすため、今後も定期的なメンテナンスを心掛けていきたいと思います。

Written by mito
(2026.3.3)

NanoTerasu(ナノテラス)利用記録

令和8年2月7日、3GeV高輝度放射光施設 NanoTerasu(東北大学青葉山新キャンパス内)にて白色X線CT(Computed Tomography)測定を行ってきました。

ナノテラス? 放射光施設?? となるかもしれませんが、つまるところ「世界最高峰のすごい顕微鏡」とのことです。

高倍率=極々狭い範囲を見ようとすると、それだけ視野に入ってくる光が少ないため、暗くて見えません。さらに、可視光の波長約およそ500nmより小さい対象には光の波が回り込み、通り過ぎてしまいます。

これらの問題を解決するのが、ほぼ光の速さまで加速させた電子から放たれる、波長が1nm程度の明るい放射光(白色X線)です。今まで見ることのできなかった「ナノの世界を照らす」ことで、様々な研究が進み、そこで得られた成果が、日本神話の天照大御神のように広く世界に恵みをもたらして欲しい、という想いで「NanoTerasu(ナノテラス)」と名付けられたようです。

今回参加したのは、理工学部 材料科学コースの吉本教授と、社会基盤・環境工学コースの大西教授、鴨志田准教授、総合科学研究科地域創生専攻 修士1年の小野寺さん、木戸さん、そして理工学系技術部から藤﨑室長、齊藤技術専門員、中村技術専門職員です。

先生方がそれぞれ研究対象の試料を持ち寄り、技術職員は施設利用の手続きや測定サンプルの情報集約といった事前準備から、円滑に測定が進むよう試料固定・交換や細かな学生指導等サポートをしました。

試料にX線が照射される実験ハッチは、万が一にも中に人が取り残された状態で照射しないよう、開閉時の手順が厳格に決められています。事前に2時間程度の安全教育を受け、「放射線作業従事者」として登録された者だけが開閉操作が可能、とのことで技術職員が引き受けました。 

撮影は1回15分程度ですが、高解像度の1800枚 (間隔:0.1°/枚で180°)以上の画像データ合計は80GB近くになり、それをCT画像として処理するにはPC性能もそれなりに必要です。大学でも処理ができるようにと手順は学んできましたが、メモリ64GBのPCを以てしても処理後の画像群を読み込むことすらできませんでした。(半分にも届かず止まる)

参考までに、↓に砂岩の供試体のCT観察の様子を動画で載せます。ナノテラスのすごいPCで軽量化してもらって持ち帰ってきたものです。

測定した砂岩(φ10mm*h 20mm)

今回利用した白色X線CTはナノテラスの「すごさ」のほんの一部です。ビームライン固有の特徴やサンプルサイズ情報などを蓄積し、今後の利用者に向け情報展開することで、本学の潜在的ユーザーに対する広い利用促進ができるよう、今後も活動していきます。

NanoTerasu正面入口前で記念写真
すごいカメラとすごいレンズで撮っていただきました

Written by dnaka
(2026.2.25)

岩手大学・岩手医科大学による使用済みMRIからの液体ヘリウム回収について、ガスレビューに記事が掲載されました

岩手大学は2025年12月23日、岩手医科大学の使用済みMRIから液体ヘリウムを回収し、自大学のNMRへ供給することに成功しました。 これは、液体ヘリウムを液体のまま移送する「逆トランスファー」方式を用いた点が大きな特徴です。

この取り組みが、産業ガス業界専門誌のガスレビュー No.1074[2026.2.15]に掲載されました。

ガスレビューP5
ガスレビューP6

ガスレビュー No.1074 [2026.2.15] 5,6ページに掲載。
ガスレビュー社の許諾を得て転載しています。
「ガスレビュー社に無断で転載することを禁じます」。

回収量

  • 液体ヘリウム:100 Lデュワー × 5本(計500 L)
  • ヘリウムガス:1 m³バッグ × 3基(計3 m³)

意義

  • 大学間連携によるヘリウム資源の有効活用
  • 使用済みMRIの廃棄時に大気放出されていたヘリウムの回収
  • 液化機を持たない機関でも導入可能な新方式
  • 国内のヘリウム自給率向上に寄与

 回収プロセス

  1. MRIの安全な消磁(クエンチを起こさない方法) → 2000 Lのうち約800 Lが残る
  2. トランスファーチューブを接続し加圧
  3. 液体ヘリウムをデュワーへ移送(逆トランスファー)
  4. ボイルオフガスはガスバッグで回収
  5. 岩手大学へ運搬し、NMR・液化機へ供給

技術協力と広域連携

  • 大阪大学、岡山大学が技術支援
  • 岡山大学が進める HeliGet(ヘリゲット)事業 の一環
  • 中四国・播磨地域での HeReNet(ヘリウムリサイクルネットワーク) とも連携
  • 今後は北東北を中心に外部リサイクルの輪を広げる方針

<関連リンク>
岩手大学HP
【プレスリリース】研究・医療資源を連携活用!希少資源であるヘリウムガスを回収・再液化し 「地域循環リサイクル」へ
https://www.iwate-u.ac.jp/info/news/2025/12/007100.html

<関連記事>
岩手大学・岩手医大と連携したヘリウム回収プロジェクト
https://eng.tech.iwate-u.ac.jp/top/?p=11996

Written by mnaka
(2026.2.16)

いわてイノベーション推進リサーチパーク事業の広報動画撮影に参加しました

本学研究支援課では、現在、「いわてイノベーション推進リサーチパーク」事業の取り組みを紹介するためのPR動画の作成を行っています。
この動画では、本学の特色ある研究分野の映像を盛り込みたいとのことで、ものづくり技術研究センター鋳造部門に撮影の協力依頼がありました。
その撮影が2026/2/5(木)に行われましたが、業務支援を行っている私も参加させていただきました。

「いわてイノベーション推進リサーチパーク(通称:I-waRP【アイワープ】」とは・・・

岩手大学、岩手県、盛岡市、いわて産業振興センター、岩手県工業技術センターが強力に連携し、研究成果の社会実装から地域産業振興までを切れ目なく支援するバーチャルなイノベーション拠点の総称。
 いわてイノベーション推進リサーチパーク(I-waRP)公式HP
  https://i-warp.jp/

製造過程(鋳型の造型作業および溶解作業)や、これまでの研究で製作された鋳造品サンプルの撮影が行われました。
外部の専門業者による撮影ということもあり、現場は終始緊張感が漂っていました。

動画の完成はまだ先とのことですが、撮影された映像が、企業と本学の研究とのよりよいマッチングに役立つといいなと思いました。

Written by mito
(2026.2.12)

XPS研修

今年も1/15-16の日程で東北大学の方を講師にXPS研修をおこないました。今回は、宇都宮大学の方も研修に参加してくださいました。

昨年は、学生も参加して無機試料測定のテクニックを学びましたが、今年は、技術職員だけで有機試料の測定を中心に研修をおこないました。スキャン回数を増やせばきれいなデータが取得できると思っていましたが大間違いでした。増やせば増やすほど壊れていくことがわかりました。

また、アルミ板を固定方法と測定方法を変えて測定しました。東北大学、岩手大学で測定したデータの比較をおこないました。同じサンプルを宇都宮大学でも測定してもらい同じ傾向が出るか確認する予定で結果が楽しみです。

2日間があっという間に過ぎてしまい、実りある有意義な時間となりました。

Written by yu
(2026.2.3)