例年行われている黒沢尻工業高校専攻科との高大連携に係る実習が2日間の日程で岩手大学にて開催されました。高大連携事業とは高校と大学が連携し教育を行うことで大学における教育内容の理解を深めることを目的の一つとして実施されるものです。黒沢尻工業高校専攻科は「ものづくり産業を支える技能者の育成」を目指しており、その取組のひとつである同事業に我々岩手大学が協力しています。 今回の実習では「鋳造」をテーマに鋳造工程を詳しく学ぶだけでなく、鋳造型の設計や鋳造による部品の量産手法について学んでもらいました。
「鋳造」とは作りたい形と同じ形の空洞部を持つ型に溶けた金属を流しこみ、冷やして固める加工法で、 伝統工芸「南部鉄器」に代表される岩手県の主幹的な製造産業であり、現在では自動車部品等、我々の生活に密接な工業技術の一つとなっています。
1日目は3DCADを用いて鋳造実習の際に使用する鋳型模型の設計実習を行った後、高度試作加工センターの見学をしました。鋳型模型は高度試作加工センター施設内にある3Dプリンターで造型し、2日目に使用します。
2日目は鋳造に関する座学を行った後、鋳造法の一つである砂型鋳造で実際に製品を製作する鋳造実習を行いました。1日目で自分達で設計した鋳型を用いて、鋳物が出来るか検証しました。
大学ならではの高度な内容の授業や実習を体験してもらい、今回の経験を今後に生かしてもらえればと思います。
・日時 :8月1日(木) , 8月2日(金)
・参加者:黒沢尻工業高校専攻科 7名
・講師 :船﨑 健一 名誉教授
小綿 利憲 特任教授
・担当者:大志田 宜明 ものづくり技術グループ (実習指導)
伊藤 達博 材料機能技術グループ (実習指導)
武田 洋一 機械工学技術グループ (施設見学)
太田 敏貴 ものづくり技術グループ (実習指導)
眞野 航 ものづくり技術グループ (実習指導)
<これまでの取り組み(関連記事)>
高大連携事業 加工実習
https://eng.tech.iwate-u.ac.jp/top/?p=5349
Written by ものづくり技術グループ
(2024.8.30)