理工学系技術部長挨拶

大学成長のエンジンとしての期待

理工学系技術部長 長田 洋

令和6年4月より理工学系技術部長を拝命しました.理工学系技術部には,現在約40名の技術系職員が在籍しています.理工学系技術部は,化学・生命系,材料系,電気・電子系,情報系,機械系,土木・環境系の理工学専門分野に,高度試作加工,機器分析,環境・安全管理にかかわるグループを加えた9つの技術グループからなり,本学における理工学系の教育・研究,並びに理工学部の組織運営等,多岐にわたって活躍しています.

私も,平成6年8月に岩手大学工学部(当時)に着任以来,約30年に渡り,技術部の皆さんには,研究に,教育に,組織運営に大変お世話になっています.私は専門が電気電子工学であり,電子回路等に関する技術にはそれなりに明るいのですが,研究の遂行にはそれだけでは足りません.機械加工では,正確な図面ではなくとも,イメージ通りの,時にそれを上回るものを製作していただきました.農工連携テーマでは,フィールドでの測量なども行っていただきました.また,教育では学生実験等の指導支援や安全管理を行っていただきましたし,入試や就職関連などの組織運営でも大変お世話になりました.

理工学は,理学と工学を組み合わせた科学・技術に関する学問領域です.科学・技術の本質は「知る」ことと「創る」ことだと思います.「知る」ことと「創る」ことには,観察力と創造力が欠かせません.その観察力と創造力を高めてくれるのが,実践的な体験だと思います.そのため,理工系学部では,実験やプロジェクトベースの学習等を通じた,実践的な体験に重点が置かれています.これらの実践的な体験を充実した形で提供するには多くの物的・人的リソースが必要であり,教員だけでカバーしきれるものではありません.個々の技術系職員が有する,豊富な知識量と経験量に裏打ちされた高い技術力が必要なのです. 高い技術力を維持することは容易ではありません.組織運営等も行わなければいけない現状ではなおさらです.理工学系技術部長としての私の使命は,この約40名からなる技術系職員の皆さんに,これまで以上の活躍をしていただけるような環境を提供することです.現在のポテンシャルを超えて成長するためには何が必要なのか,どのような組織であれば自己と組織を高めていけるのかを一緒に考えていきたいと思っています.岩手大学の成長のエンジンとして,最高の理工学系技術者集団になっていただきたいと思います.