Three.jsで道路設計実習の補助資料を試作

【背景】

CADソフトで表示した等高線の入った地形図(上) と 3Dビュー(下)

社会基盤・環境コースの実習の一つで、
道路の紙上設計(ペーパーロケーション)を行います。
学生には等高線が入った地形の平面図が渡され、決められた地点間を結ぶ道路を、自分なりの指針を持って「自由に」設計する課題です。

地形は平坦ではありません。

通行時に快適な勾配、かつ、元の地形から切る土・盛る土が多過ぎない経済的な縦断形状を考えなければいけませんし、

道路幅 + 切土・盛土の法面幅が、周囲の建物や既設道路に影響がないよう、横断形状も考慮する必要があります。

こういった平面を立体的に見るイメージが学生にきちんと伝わるように、我々 技術職員はマンツーマンで何コマにも渡って指導しています。

なお、実際の公共工事では『i-construction(ICT土木)』と呼ばれる取り組みが進んでおり、紙の図面ではなく、発注から施工後の維持管理まで一括の3次元データで管理する、といった事例も多いと聞きます。

それを踏まえ、 3D CAD を使った道路設計も組み込まれていましたが、コロナ対応の講義内容変更・縮小で、残念ながら現在は休止中です。

【本題】

3D CAD に代わる道路設計実習の補助資料として、
Three.jsでこんなものを作ってみました↓
http://www.cande.iwate-u.ac.jp/sokuryo/threeJs-peLoca/TJindex.html


※マウス右ドラッグ:視点変更、左ドラッグ:平行移動、ホイール:拡大縮小、
右上メニュー:背景色変更、縦断 / 横断 / フリー カメラ切替、車の速度 / 地球自転速度 変更

Three.jsとは、webブラウザ上で3Dオブジェクトを閲覧するためのjava script のライブラリで、上の例のような3Dモデルに干渉できるメニューも
(私はかなり苦戦しましたが) 作ることができます。

3Dオブジェクトを見るためには専用のビューアーアプリが必要だったり、VRゴーグル使用を想定していたりと、「閉じている」印象もあるかもしれませんが、こちらは一般的なwebブラウザからアクセスでき、気軽に見せられるという利点があります。

(もちろん『sketchfab』等、外部サービスに乗れるなら乗った方が楽だとは思います。)

今回、道路設計の補助資料として作成はしましたが、必要な要素が表現しきれず、また、もっと情報量を増やした方がいいか等、悩みが尽きず実用には至っておりません。

URLをクリックするだけで3Dモデルを閲覧できて、
何かしら「操作した感」が得られる資料をお求めの方、
Three.js、いかがでしょうか? 

※ 地形の元データ:国土地理院 基盤地図情報 を加工して使用、
  地形と道路のモデル作成:AutoCAD Civil3D教育機関版を使用、
  車のモデルとアニメーション:blenderを使用

Written by dnaka
(2022.11.30)

富山大学技術職員研修にて講師を務めました

9月8日(木)に富山大学で開催されました、 R4年度技術職員研修の中で、化学・生命技術グループの藤崎聡美技術専門員が、近年の特徴的な業務の一つである「動画配信・編集等」に関して、本学理工学系技術部および学内での取り組み状況について講演(事例紹介)いたしました。

昨今の社会事情により、どの大学でも、オンライン用教材として動画や映像を用いるケースが増加しています。しかし、そのためのスキルや知識を有する職員が身近にいるとは限りません。

そういった背景から、今回富山大学では、将来的に汎用化されるであろう動画関係のスキルに焦点を当て、技術職員研修のテーマにされたそうです。

研修は2部構成で、前半は情報セキュリティーについての紹介、後半は動画を用いた各大学の情報発信事例紹介として、岩手大学および愛媛大学より講演を行いました。本件に該当する部分のプログラムを以下に抜粋します。

===
R4年度 富山大学技術職員研修
日時:2022年9月8日(木)13時半開始

第2部《 動画による情報発信事例の紹介 》

■「情報発信をベースに、どれほど業務を展開できたか」
  ~ 配信・動画編集事例の紹介 ~
  講 師:岩手大学 技術部
  理工学系技術部 技術専門員 藤崎 聡美 氏

■「高圧ガス保安教育講習用動画作成における留意点」
  講 師:愛媛大学 学術支援センター
  物質科学研究支援部門
  技術専門員 鎌田 浩子 氏

■座 長:五福地区技術部 桐 昭弘(富山大プログラムより抜粋のため敬称略)
===

富山大学技術職員のみなさま。
この度は良い機会を作っていただき、ありがとうございました。



講演後の質疑応答では、いろいろな視点からのご質問をいただき
良い議論ができました。

【参考】
 富山大学五福地区技術部HP
 http://www3.u-toyama.ac.jp/gijutsu/
 愛媛大学工学部等技術部
 http://www.tec.ehime-u.ac.jp/index.html

2022年度 機器・分析技術研究会@大阪大学での受賞紹介

2022年9月1日(木)~2日(金)にかけて、大阪大学豊中キャンパスを会場に
開催された「2022年度 機器・分析技術研究会」におきまして、本学理工学系技術部から3名が、口頭プレゼンテーション賞並びにポスター賞を受賞いたしました。

各受賞者の発表タイトル等は以下の通りとなります。

■口頭プレゼンテーション賞

O-05 岩手大学 野田千晶
   電子顕微鏡および X 線回折を用いたナノ粒子の構造解析技術の習得

O-11 岩手大学 千葉寿
   装置のDX化によりあらゆる警報を外部に通知する

【共著者】
庄司 愛子 a) , 古館 守通 a) ,藤崎 聡美 a) ,玉木 俊昭 b) ,稲角 直也 c) ,戸所 泰人 c) ,
島﨑 英行 d) ,須恵 耕二 d) ,木村 和典 e) ,豊田 朋範 e)

a) 岩手大学 , b) 東北大学 , c) 大阪大学 , d) 熊本大学 , e) 分子科学研究所

■ポスター賞

P-49 岩手大学 田沼萌
   ImageJを用いたX線イメージングのデータ解析

【共著者】
佐々木 明日香 b) ,藤崎 聡美 a) ,宮原 英隆 c) ,万福 和子 d) ,佐藤 裕文 e) ,吉田 琴音 f) ,
今 健一 g) ,赤堀 卓央 b) ,水戸谷 剛 b) ,鈴木 正哉 d) ,廣沢 一郎 h) ,吉本 則之 i) ,
吉岡 正和 j)

a)岩手大学理工学系技術部 ,b)東日本機電開発株式会社 ,c)石原産業株式会社 ,d)産業技術総合研究所 ,e)岩手大学研究支援・産学連携センター ,f)岩手県ILC推進局 ,g)いわて産業振興センター ,h)九州シンクロトロン光研究センター ,i)岩手大学理工学部 ,j)岩手大学・岩手県立大学

また、本件、関連サイトにも掲載されております。併せてごらんください。

● 2022年度 機器・分析技術研究会HP
 https://kiki2022.sci.osaka-u.ac.jp/index.html
● 佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターHP(トピックスに掲載)
 https://www.saga-ls.jp/
● 岩手大学HP
 https://www.iwate-u.ac.jp/index.html(10月のニュースに掲載)

後列 左:田沼萌 技術職員 右:千葉寿 技術専門員
前列 左:八代仁 学部長 右:野田千晶 技術職員

受賞された皆さま、おめでとうございました。

            Written by 広報委

グループ研修にて鋳造実習を行いました (材料機能技術グループ)

 材料機能技術グループにて、グループ研修を行いました。
今回は、材料機能技術グループの支援分野の一つである「鋳造」の実習を行いました。
 本研修では、材料機能技術グループの伊藤さんに指導していただき、鋳造初体験のグループメンバーが3名参加しました。また、TAの学生さん2名に補助していただきました。

  • 日時:令和4年7月28日(木) 13:00 ~ 15:00
  • 場所:ものづくり研究棟 鋳造実習室
  • 内容:鋳型の造型、鋳込み、型ばらし、仕上げのひと通りの作業を行い、アルミ製ペン皿が完成するまでの工程を理解する。

今回、鋳造によって作成する鋳物はアルミ製ペン皿です。
裏側にアルファベットで名前を入れることにしました。

①鋳型の造型
砂を材料とした鋳型を作成しました。
つき固め(砂を押し固める)の工程では、力加減が弱すぎると鋳型が崩れてしまい、逆に強すぎるとアルミを流し込んだ際にガスの逃げ道がなくなりうまくいかないそうです。

②鋳込み
完成した鋳型に溶解したアルミを流し込みます。

③型ばらし
鋳込み後、5分程度冷まし鋳型を崩し鋳物を取り出します。
鋳物がまだ熱いので、さらに冷まします。

④仕上げ
最後に、付着している砂やバリを除去したら完成です。

アルミ製ペン皿が完成しました!
鋳型にうまくアルミが流れ込まず、いびつな形になってしまいましたが、手作り感が出ていて、これもまたいいなと思いました。ペン皿の裏側には名前がきれいに入りました。

今回のグループ研修を通して、支援分野が異なるグループメンバー同士業務への理解を深めることができました。今後の業務へ活かし、支援の幅を広げていきたいと思います。

written by C.N
(2022.9.16)