低温室とは

低温室とは全学に寒剤(液体窒素、液体ヘリウム)を供給している全学共通施設です。利用内容は様々で教育研究の重要インフラでもあり、多くの技術職員が管理運営にあたっています。今年大幅な設備更新を行ったので業務内容も含めて紹介します。

  • 液体窒素(-196℃)の供給

液体窒素は空気を冷却することで製造されるため、安価な寒剤で細胞の凍結保存、凍結切片等試料作製、超伝導、電子顕微鏡等多岐にわたって利用されています。

写真は今年設置された液体窒素自動充填システムです。

  • 液体ヘリウム(-269℃)の供給

ヘリウムガスは空気中に微量しかなく、天然ガスに含まれているヘリウムを分離し作られています。日本ではほとんどを輸入し、希少で価格も高くなっています。そこで低温室では使用したヘリウムを回収し、再液化しNMR、超伝導磁石等に利用されています。安定供給するため回収率、回収純度の向上に努めています。

写真は今年導入したヘリウム液化装置です。

これらの寒剤は爆発、酸欠、凍傷などの危険があるため、利用には注意が必要です。岩手大学ではありませんが現実に死亡事故も起こっています。

低温室では、寒剤を安全で安定に供給するため講習会や日常点検、保安検査等日々行っています。また低温室は高圧ガス製造設備になっていますので、高圧ガス保安法の規制を受けています。

次回、低温室と高圧ガス保安法について紹介します。