私は前期に,2つの学生実験(材料工学)を担当しており,ともに引張試験機(以下試験機)を使用し,金属の試験片を引っ張っていますが,それぞれ別の試験機を使っています.
1つは,ロードセルタイプの試験機で電気的に荷重を測定する比較的新しいタイプ(左)のもの.もう一つは,油圧式のかなり古い試験機(右)で す.
使ってみると,当然新しい試験機が便利に決まっているのですが,新しいほうではどうもうまくいかないことがあるんです.引張試験片にひずみゲージというセンサーを張り付け,引っ張 りながらひずみを計測するという実験があるのですが,新しい試験機でこれをやろうとすると,ひずみ計の値が安定せず測定不能に なるんです.おそらくノイズがのってるんだろうと思って,各部をアルミ箔で覆うなど対策をしてみましたがだめで,結局,油圧の古い試験機を使うことになっ たという経緯がありました.
ただ,古い試験機は油圧の加減で引張荷重を調整するのですが,その調整の仕方が超アナログチック!下の図のようにつまみを微調整して引張荷重を決めるのですが,なかなか荷重の値が安定せず,学生はかなり苦労します.つまみの先端を1mm動かしただけで荷重がかなり変化してしまいますから,指の先でそおぉっと触れる感じで調整しなければなりません.デジタル時代の学生にはいい経験になるのかなと思いますね.