地域を支える「エコリーダー」「防災リーダー」育成プログラム
この育成プログラムは社会人を対象に、環境問題や地域防災活動の重要性を地域、学校、職場などへ伝え、そこでの活動を牽引するリーダーを育成することを目的として、「エコリーダー育成コース」と「防災リーダー育成コース」の2コースを設けて開講されているプログラムです。
プログラムHP http://www.cande.iwate-u.ac.jp/SeLSEC/
このプログラムは社会環境工学科が中心となって運営しており、いくつかのテーマにおいて土木・環境技術分野のスタッフも講義や事務局運営等の支援を行っており、地域貢献の一環でもあります。ここでは分野のスタッフが関わったことについて、何回かに分けて紹介しています.今回は第6回目です.
9月25日(土)
洪水に関する講義といくつかの洪水現象について、水理実験装置や模型実験を通して理解を深めてもらっています。
堤防が整備され河川の氾濫(外水氾濫)の被害が軽減された地域でも、場合によっては違った要因で宅地側が水に浸かるという被害例(内水氾濫等)も報告されてます。例として、宅地内水路の排水が樋門を通じて排水されている場合、河川の水位と樋門水路側の水位によって水がどう動くのか? 河川水位が高く樋門から水が逆流するような状態で樋門を閉め、宅地側に多量の降雨があり水路に多量の水が流入してきた場合どのような状況になるのか? 座学ではなかなか理解しにくい状況を、模型実験(写真1)を通して受講生自らが状況を操作し、その違いを確認することによって理解を深めてもらいます。
(写真1 堤防と樋門の効果について)
次は堤防の決壊モデルの模型実験です。
受講生の皆さんに“砂遊び感覚”で堤防を自作してもらい(写真2)、河川の水位を徐々に上昇させていきます。砂で造った堤防でも、水位の上昇中に崩れることはなく、堤頂部を越流した瞬間から一気に崩壊に至る(写真3)という状況を見ることができます。この崩壊現象は見方を変えれば、山間部で斜面災害により河道を土砂が塞いでしまい土砂ダムが形成された場合の、土砂ダム崩壊現象の一例と捉えることもできます。
(写真2)
(写真3)