【連載③】「磁気と協同~岩大OG職員紹介~」

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# 聞き手:理工学系技術部広報専門委員長

【理工学系技術部の構成員の日常業務や、業務への取り組み方を紹介するインタビュー連載記事、第3回は、岩大理工学部 化学コースOGで化学・生命技術グループの田沼萌さんにお話を伺いました。】

●【現在の仕事内容について教えてください。】

(田沼)現在は、学生実験の対応と4種類の装置(文末参照)の担当をしています。あとは薬品関連や廃液回収、作業環境測定、毒物・劇物調査なども行っています。私自身、ここ(化学コース)の卒業生で、在学中は学生実験を通して職員の仕事を見る機会はあったので、こういう仕事をするんだなと何となく思っていましたが、実際なってみたら、実験の対応は仕事のほんの一部で、他にもこんなに幅広くやっているんだなと(笑)。どの仕事に関しても、学生時代に比べ「責任感」を強く感じるようになりました。

●【この装置もご担当されている装置の1つですか?】
 (インタビューはX線CT室で行いました。)

(田沼)はい、そうです。X線CTになります。私が担当している装置で、学外からも解析の依頼が来ます。担当になった当初、自分でサンプルを準備して、どういうものが撮れてどういうものが撮れないか等、撮り方について勉強しました。また、依頼サンプルの中には普段の生活では見ることができない珍しいものもあるので感動します。

●【NMRのスキルアップに励んでいるとお聞きしました。相当難しい装置かと思うのですが、どのような経緯で担当することになったのですか?】

(田沼)現在担当している分野が4年生の時と違って全然使う機会もなく、学生実験でもちょっと触れたかな、くらいの装置で、ちょうど担当者の席が空いていたので…運命の出会いですかね(笑)。採用1年目で「何をすればいいんだろう?」からのスタートでした。全国の技術職員の研究会に参加した際、他大学の同じ装置を扱う技術系職員と知り合うことができて、相談している中で勉強会に誘っていただき、今でも続けています。

●【他大学の職員との勉強会は聞き慣れないのですが、どのようなことを行っているのですか?】

(田沼)オンラインで書籍の輪読を週1回行っています。また、自分のところに来ない色んな種類のサンプルについて情報共有できますし、解析やメンテナンス方法についても聞くことができています。画面共有などして実際の測定状況を見てもらうこともできるのでとても助かっていますし、刺激を受けています。

●【最後に自身の抱負を教えてください。】

(田沼)装置関係で言うと、NMRは今まで溶液サンプルしか測定してこなかったので、固体サンプルの測定に挑戦してみたいと思っています。ニーズがあるかなと思って。サンプル毎に手動で調整をするのが難しいのですが、頑張ってみたいと思っています。

【以上で田沼さんのインタビューを終わります。学外の技術職員との交流を通して、日々スキルアップに励んでいるお話が印象的でした。田沼さん、ありがとうございました。】

【田沼さんの主な業務】

装置等の保守管理・依頼分析・利用講習会の実施

 ・NMR(Nuclear Magnetic Resonance、核磁気共鳴装置)
 ・X線CT(Computed Tomography、コンピュータ断層撮影)
 ・単結晶X線構造解析
 ・有機微量元素分析

全学支援 安全衛生管理業務

 ・作業環境測定
 ・毒劇物調査
 ・廃液・空容器回収

理工学部 化学コースの教育支援

 ・3年次 化学理工学実験Ⅰ・Ⅱ
  (実験準備、実験器具の取り扱い等の指導)

教育学部 理数教育コースの教育支援

 ・2年次 化学実験Ⅱ
  (実験準備・試薬調製、実験器具の取り扱い指導、
   定量分析実験の指導)

Profile
 田沼 萌 技術職員
 TANUMA Moe
 2018年度採用 (勤続6年)
 趣味:甘いものを食べる、散歩、
    漫画、釣り

「技術職員6年目になりました。月日があっという間に過ぎました。」

(2024.03.19)