2023年度機器・分析技術研究会@熊本大学 への参加報告

2023年9月7日(木)~8日(金)に、熊本大学黒髪キャンパス南地区で開催された「2023年度 機器・分析技術研究会」にて、本学理工学系技術部から2名が口頭発表を行いました。

口頭発表
「電子スピン共鳴装置の技術習得」
      機器分析技術グループ 吹上菜穂技術専門職員 (写真左)

(概要)電子スピン共鳴装置(ESR)は物質に含まれる不対電子が持っている電子スピンの共鳴現象の磁気エネルギーを検出する装置である。電子スピンがゼーマン分裂を生じ、その分裂と等しいエネルギー差のマイクロ波を照射すると、平衡状態のスピンがそのエネルギーを吸収して反平行状態に反転する。この現象を電子スピン共鳴と呼ぶ。本研究会では、ESRの知識や操作技術の習得について報告した。

「実験装置の振動を検出する警報通知システムの開発」
      電気電子通信技術グループ 庄司愛子技術職員 (写真右)

【共著者】                                     千葉 寿 a)、古舘 守通 a)、藤﨑 聡美 a)、豊田 朋範 b)
a)岩手大学 技術部理工学系技術部、b)分子科学研究所 技術推進部

(概要)WAN-WANシステム(詳細は後述)の活用事例として、真空ポンプをはじめとする実験装置の“振動”を検出し、異常時に警報通知するシステムの開発を行った。振動センサーとWAN-WAN基本モジュール間の信号入力部の回路設計を工夫することで、振動由来の信号の検出とWAN-WANシステムの通知動作を可能にした。

どちらも質問や意見がたくさん寄せられ、興味を持っていただけたと感じました。

                                  企業展示ブースでは、岩手大学と分子科学研究所の技術職員チームが連携して開発している緊急情報・警報広域周知システム(Wireless Alarm Network for Wide Area Notification:通称WAN-WAN)の展示が行われました。プロジェクトの代表を務める千葉寿技術室長はじめ、プロジェクトチームの藤﨑聡美技術専門員、古舘守通技術専門員がWAN-WAN機器の紹介とデモンストレーションを行いました。多くの参加者にご覧いただき、大変好評を得ました(以下写真)。

また、今回の研究会ではWAN-WANの活用事例として、分子科学研究所・鳥取大学・岩手大学が口頭発表・ポスター発表で紹介した機器も併せて展示が行われました。詳細はこちらのページおよび以下よりご覧ください。

● 2023年度 機器・分析技術研究会HP
https://www.irec.kumamoto-u.ac.jp/kiki2023/

● 警報システムHP
https://wan-wan.tech.iwate-u.ac.jp/

Written by R5機器・分析技術研究会参加者一同
(2023.10.17)

前期 寒剤利用講習会&ユーザー登録を実施しました

年度はじめは、研究室配属などにより、新たに寒剤を利用する方が増えます。
低温室では、年に2回、寒剤利用者を対象とした寒剤利用講習会を実施しています。
この講習会は、高圧ガス保安法によって実施が義務付けられており、教育研究だけでなく、イベント等で寒剤を使用する方も受講対象となります。
岩手大学では、液化窒素および液化ヘリウムを初めて使用する際は必ず受講していただくようお願いしています。
あわせて、受講が完了した方のうち希望者に、液体窒素自動汲み出し装置のユーザー登録を行っています。

今回は、以下の日程で行われたユーザー登録の様子をご紹介します。
講習会については、事前にオンラインで実施(動画視聴および確認テスト受験)しているため、この場では、テストに合格した方のユーザー登録(汲み出し装置のログイン時に必要な職員証または学生証のデータを登録する)を行っていきます。
理工学系技術部所属の低温室スタッフ5名で対応しました。

液体窒素自動汲み出し装置のユーザー登録

  • 日時:令和5年5月15日(月)~17日(水)いずれも 13:00~16:00
  • 場所:低温室(C12 極低温発生装置室)
  • 担当:理工学系技術部 中村(光)、田中、伊藤、吹上、岩渕
液体窒素自動汲み出し装置(理工学部)
登録を待つユーザーの方々

雨が降ったり、暑くなったりと天候の変化が大きい3日間となりましたが、無事日程を終えることができました。
次回は11月頃開催予定です。

Written by N,T,I,F and I
(2023.5.22)

NMR装置利用講習会


NMR装置を頻繁に利用することが決まっている4年生を対象に、装置利用の講習会を行いました。

NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)とは、有機化合物の分子構造を明らかにするための装置です。
サンプルによりますが、最短5分程度で測定結果を得ることができます。

講習会の様子とNMR装置


装置を正しく安全に利用してもらうため、装置担当者は1回の講習会で3~4名ずつに丁寧に説明します。
今年度は30名の学生が受講してくれました!

Written by mt
(2022.7.19)

XPSのメンテナンスを行いました

全学共同利用装置であるXPSのメンテナンスを行いました。

XPSとは、正式名称はX線光電子分光分析装置(X-ray Photoelectron Spectroscopy)と呼ばれ、固体試料にX線を照射し、表面から約数nmの深さの構成元素および元素の化学結合状態を分析できる装置です。固体試料なら、金属、セラミックス、半導体、有機物を問わずに測定でき、イオンスパッタリング法等の手法による深さ方向分析や、界面の情報および深さ方向の組成分布も取得できます。
そのため、XPSは材料評価および材料開発において重要な分析手段となっており、本学でも研究に多大な貢献をしています。

X線光電子分光分析装置(XPS)

XPSのチャンバー内は超高真空(10-8Pa)になっています。そのため、普段は装置内部を見ることができませんが、メンテナンスなどの機会には装置内部を見ることができます。 試料台やX線源などの構造を直接見ることができ、大変勉強になりました。


ベーキング中

窓から見たチャンバー内

無事メンテナンスが終わりました!
今後も様々な教育・研究で、XPSを利用していただきたいと思います。


Written by NI
(2022.7.8)

令和3年度 配属先研修(機器分析技術グループ)

機器分析技術グループにて、 令和3年4月採用の庄司さんと野田さんの配属先研修を行いました。

日時:令和3年6月14日(月) 9:00~12:00

内容:自己紹介
   研究推進機構 研究基盤管理・機器分析部門の業務への技術支援状況説明
   核磁気共鳴装置(NMR)・質量分析装置(MS)・X線光電子分光装置
   (XPS)等の紹介
   低温室の施設および設備紹介
   電子顕微鏡室の施設および設備紹介

自己紹介および業務説明
飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)の見学・紹介
ガスクロマトグラフ質量分析装置 (GCMS)の見学・紹介
原子間力顕微鏡(AFM) の見学・説明
低温室の施設および設備見学・紹介

参加した2名は、学生の時に知らなかった装置を知れたことや、 装置の保守管理に高額の予算が使われていることに驚いていました。
熱心に説明を聞きながら、積極的に質問してくださり、今後の業務に活かそうという様子が見られました。

長時間の研修、お疲れさまでした。

Written by 機器分析技術G
(2021.6.14)