第17回イーハトーヴの科学と技術展に出展します

今年度もイーハトーヴの科学と技術展に出展することとなりました.

今回は「スーパーボールを作ろう」で参加します.

日時 平成24年8月25日(土), 26日(日)
    10時~19時(26日は17時終了)

場所  イオン盛岡ショッピングセンター 2階イオンホール

スーバーボール作製の様子

出前講義

工学系技術室で行っている出前講義のリストです.

スーパーボールをつくろう 銀鏡反応を利用した輝く小瓶の作製
エンジンの仕組み 発光ダイオード(LED)を光らせてみよう


 

スーパーボールをつくろう
出前
実験・実習
の概要
 ゴム原料であるラテックス液は通常アルカリ性を示し液体状になっています.これにクエン酸溶液を加えて中和していくと液状のラテックスが重合反応を起こしスポンジ状になります.これを水の中で上手にボ-ル状にすると,ゴム製の手作りスーパーボールが完成します.出前実験では受講者全員がこれを作製することができます.
【スーパーボールの試薬の調整】:スタッフが準備します
・ラテックス液:(C5C8)Cn溶液(ケニス(株)製実験用試薬ラテックス液)
1個製作するのに原液約10ml使用
・クエン酸溶液:1.5% C3H4(OH)(COOH)3溶液
1個製作するのに40ml使用
・色水:10% poster color溶液(蛍光色)
1個製作するのに20ml使用
実験・実習
作業手順
【スーパーボールの作り方】
1.好きな色の水をAのコップに入れます

2.ラテックス液を10ml加えてよく混ぜます(ちょっとアンモニアの臭いがします・・・クサイ!?)

3.クエン酸水溶液をBのコップに入れます

4.AのコップにBのクエン酸水溶液を加えます

5.コップの上の方を持ってよく振り混ぜます

6.液全体にふわふわしたスポンジ状のかたまりができてきます

7.かたまりがコップから離れて色水がしみ出すまで振り続けます

8.かたまりを桶の水の中に移します

9.かたまりの中の水と空気を押し出すように丸くします(きれいに丸くするのは難しいよ!上手にできるかな?)

10.十分に丸くしてペーパータオルで水分を吸い取ると・・
でっきあがりー!

よーく弾むかな!?(所要時間10分)

実験・実習
形式
スタッフ1名が4人程度の受講者を対象に実験指導を行います.
実験の所要時間は10-15分程度です.
準備や説明等を合わせると,2時間で40名程度の実験が可能です.
詳細な実験・実習内容については相談の上決定します.

 

銀鏡反応を利用した輝く小瓶の作製
出前
実験・実習
の概要
 銀鏡反応を利用し,サンプル瓶を用いたかわいい小物「銀色に輝く小瓶の作製」の実験指導を行います.出前講義では受講者全員がこれを作製することができます.

【準備】:スタッフが準備します ◎容器・部品・材料サンプル瓶,コルク栓,シート型抜き,色セロファン,シール,リボン,スネーク,ヒートン等々

◎試薬(銀メッキ液)

・A液:5% AgNO3 Soln+5% NH4OH

5%硝酸銀水溶液70mlを撹拌しながら5%アンモニア水7mlを入れると,褐色沈殿(Ag2O)ができる.
更に,5%アンモニア水を滴下して褐色沈殿の消えた([Ag(NH3)2]+の生成)
ところで止める.

注:市販のアンモニア水の濃度は安定せず,この通りの量にはなりにくい.

・B液:10% C6H12O6 Soln + 1N NaOH Soln

10%ブドウ糖70mlに4%(1mol/l)水酸化ナトリウム水溶液を入れる.4%水酸化ナトリウム水溶液は,温度によって5~20滴ほど加減する.温度が低いほど量を増やす.

実験・実習
作業手順
【作り方】1.容器に半分くらいA液を入れる

2.B液を残り半分加えて一杯にする.(肩のところまで)

3.20分待って・・・(様子がかわる!よく見ていること)

4.溶液を廃液入れに捨てて脱塩水で3回よくすすぐこと

5.蓋をして,好みのシールを貼って,リボンをむすんだら・・・

6.銀色に輝く小瓶のできあがり!

(所要時間20分)
キーホルダーにもできる!!

実験・実習
形式
スタッフ1名が4人程度の受講者を対象に実験指導を行います.
実験の所要時間は20分程度です.
準備や説明等を合わせると,2時間で40名程度の実験が可能です.
詳細な実験・実習内容については相談の上決定します.

 

エンジンの仕組み
出前
実験・実習
の概要
1.使用工具の概要

2.4サイクルエンジンの仕組み

3.2サイクルエンジンの仕組み

4.2サイクルエンジンの分解

5.2サイクルエンジンの組立

実験・実習
作業手順
分解作業の手順

1.点火プラグコードを外す

2.燃料タンクを外す

3.エンジンヘッドカバーを外す

4.キャブレターを外す

5.マフラーを外す

6.リコイルスタータを外す

7.シリンダーヘッドを外す

8.ピストンシリンダーを外す

9.キャブレターを分解する

組立作業の手順

分解作業と逆の手順(9→1)で組立を行う

実験・実習
形式
・使用できる2サイクルエンジンは2台となっており,1台につき3~5名のグループで作業を行う
(受講者は最大10名)・講義時間は2時間程度である

 

発光ダイオード(LED)を光らせてみよう
出前
実験・実習
の概要
身近に使用されている電子機器は,さまざまな電子部品による回路から構成されている.しかしながら,実際にはブラックボックス化しており電子回路に触れる機会は非常に少ない.ここでは,主に発光ダイオードを利用した4種類の回路を作製することにより電子部品の特性,利用方法について実感させ,より理解度を高めることを目的とする.

1.主な電子部品の概要説明

2.それらを利用した回路の概要説明

3.実際に回路を作製

実験・実習
作業手順
1.主な電子部品の概要説明

(1)抵抗と可変抵抗

(2)ダイオードと発光ダイオード(LED)

(3)トランジスタ

(4)テスタの使用方法

(5)ブレットボードの使用方法

2.ブレットボードを使用してアナログ回路を作製する

(1)LEDを光らせる回路(抵抗を利用)

(2)LEDの明るさを調節する回路(可変抵抗を利用)

(3)プラスマイナスを入れ替えても常にLEDが光る回路(整流回路を利用)

(4)明暗によってLEDが光る回路(トランジスタ,Cdsセルを利用)

実験・実習
形式
・教材の関係上,受講定員は最大20名程度とします.
・講義時間は1時間30分程度を予定しております.
なお,説明のために液晶プロジェクタを使用します.

 

花巻東高校への出前講義について

遅ればせながら、昨年の11月に花巻東高校で実施した出前講義について、本HPでも紹介致します。

 

岩手大学では、高校生を対象に大学における講義の雰囲気を体験してもらうことを目的として出前講義を行っています。工学系技術室においてもこの活動に積極的に参加しており、現在5テーマを大学ホームページなどに掲載しています。

ここで報告する出前講義は“発光ダイオード(LED)を光らせてみよう”です。この講義では、LED点灯回路を実際につくってもらうことにより、電子回路をつくる楽しさやLEDの特性を実感するとともに、多くの技術職員が日常業務で技術指導している学生実験の雰囲気を感じてもらうことを目的としたものです。今回、工学系技術室としては初めてとなる出前講義を実施したことについて、準備作業・講義の様子などを報告します。

出前講義の概要は、次のようになっています。

出前講義先:学校法人花巻学院 花巻東高等学校
実施日時 :平成23年11月17日13:30~15:00
受講者?? :普通科1年生 36名

講義時間は90分でしたので、最初の45分を概要説明、残り45分を実験に割り振りました。また大学での学生実験の体験ということで、少人数グループで作業できるように、3人1組に分け(合計12グループ)ました。指導する職員は1人2グループを担当することととし、当日は職員6名で臨みました。更に講義内容や準備に関するアドバイザーとして、2名が参加しています。

初めての取り組みということで、講義内容の見直しから始めました。実験では受講者が高校生ということを考慮し、受講生が各自LED点灯回路をつくるだけでなく、LED各色の電圧-電流特性の計測、RGBフルカラーLEDを使用した白色光づくりも行うこととしました。

実験1  固定抵抗を使用したLED点灯回路の作製

受講生がそれぞれブレッドボード上に電子部品を配線することによりLED点灯回路をつくる。ここでは、ブレッドボードでの回路づくりに慣れてもらうと同時に回路づくりの楽しさを感じてもらう。

 

実験2  各LEDの電圧-電流特性計測回路の作製と計測

各グループで発光色がそれぞれ異なるLEDの電圧-電流特性の変化を計測する。まず、計測回路(図1参照)を作製し、その後可変抵抗のつまみを調整しながら電圧計と電流計の値をデータシートに記録する。最後にその結果をグラフ化し、それぞれのLED特性の違いを理解してもらう。
実験2で時間が余るようであれば、CdSセルを利用した照度によりLEDの明るさを自動調整する回路をつくる。

LED電圧-電流特性計測回路

 

実験3  RGBフルカラーLEDを使用して白色光をつくる

光の三原色を体験してもらうために、フルカラーLEDの各抵抗を変化させて白色光を各グループでつくってもらう。

?RGBフルカラーLED点灯回路

使用物品リスト

品 名

個数

点灯回路基本セット

LED(赤,黄,緑,青,白)

いずれか1

LED拡散キャップ

1

小型ボリューム(100Ω)

1

小型ボリューム用ツマミ

1

酸化金属皮膜抵抗47Ω1W

1

ブレッドボード

1

ジャンパー線

5

電池ボックス(単3×4)

1

単3アルカリ乾電池

4

その他(グループ毎)

LED(フルカラーRGB)

1

矢型プラグ小(赤・黒)

各1

ICテストクリップ小(赤・黒)

各1

電線 AWG22 赤・黒

各1

CdS MI116C

1

電圧計

1

電流計

1

計測結果記録シート

1

 

今回は受講生各自でLED点灯回路をつくってもらうため、ブレッドボードや電池ボックスなどの点灯回路基本セットと計測に必要な物品を準備しました。電圧計と電流計は高校側で準備していただきました。

出前講義での実験を安全かつ円滑に実施できるように回路作製や計測手順の確認は行いました。その確認を行いながら、LEDの電流を調整する可変抵抗値やLED特性を計測する回路の検討と、計測手順の確認・改良を行っいました。その他にブレッドボードでの配線用に可変抵抗と電池ボックスの配線の半田づけ、基本セットの袋詰めなども下準備として行いました。


準備作業風景

また、打合せを行う時間を出来る限り軽減するために、実験内容とその作業手順、講義資料については基本的にメールでやり取りを行い、最初の打合せ以外は実際に作業のために集まった時に行いました。

当日の動き

12:50に花巻東高等学校に到着し、13:00から出前講義の準備を行いました。講義室は電気計測実習室を準備していただきました。そこには作業テーブルが6台設置されており、各テーブルに2グループ(受講生6名)を配置することとし、各作業台にはLED点灯回路基本セットと電流計、電圧計、計測シートをそれぞれ準備しました。


講義前準備作業風景

最初の45分はPower Pointを使用してLEDの使用例・特性と今回使用する電子部品、回路の作製手順について説明を行いました。ここでは、LEDの特徴である“小型・軽量・長寿命・低消費電力”の他に、“光(指向性・特定の光を出すことが出来る)”ということも説明しました。


概要説明風景

残り45分で実験を行いました。実験1のLED点灯回路は順調につくることが出来ましたが、実験2のLED特性の計測では回路づくりや計測がなかなか進まず、残念ながら作業を完了できずに講義終了時間となってしまいました。この原因としては、以下の3点が考えられます。

・ 事前に生徒に資料を配布していなかった
・ ?内容が多すぎた(作業量が多すぎた)
・ 受講生が実験に慣れていなかった

今後は実験の進捗状況により、臨機応変に対応できるような態勢を整える必要もあると感じました。


実験作業風景

出前講義のアンケート結果

高校側で受講生に対して行ったアンケートが後日届きました。アンケートでは以下の3項目について尋ねています。

  1. 今後の進路選択に役に立ったか
  2. 講義を聞いて良かったか
  3. 講義を受けた感想

項目1と項目2の集計結果を下に示します。両項目ともに75%以上の方が良かったと評価していました。この傾向は項目3の感想でもみられ、普段では体験できない実験を行うことが出来て良かったという感想もありました。これらのことから、実験を出前講義として提供していくことも、受講生に興味や経験を広げる場の提供として非常に有効であると思われます。

 

今後の進路選択に役に立ったか  講義を聞いて良かったか

 

おわりに

発光ダイオード(LED)を光らせてみようという題名で出前講義を行いました。工学系技術室で初めて取り組むということで準備が大変でしたが、多くの職員の協力により無事に実施することが出来ました。

座学だけの講義とは違い、実際に手を使って実験を行う内容であったため、生徒が参加しやすいと思われましたが、計測に多くの時間を割いてしまい途中で終了せざるを得なかったことが非常に残念でした。

今後このような出前講義を行う機会が得られれば、今回の経験を生かしてより良い講義を提供できるようにしていきたいと思います。

Written by mamoru
(2012/06/22)

体験型巡回展「きみたちの魔法-化学『新』発見」参加報告

日時 平成24年3月18日(日)~20日(火・祝) 9:30~17:00
場所 大槌町役場 中央公民館 大会議室
(住所:岩手県上閉伊郡大槌町小鎚第32地割126)
入場料 無料
対象 小学校低学年以上

主催 日本科学未来館・日本化学会
共催 大槌町教育委員会・岩手大学
協力 NPO法人 遠野まごころネット
企画・制作 日本化学会・日本化学工業協会・日本科学未来館

来場人数 計619人(18日 183人/19日 133人/20日 303人)

出典テーマ
【光であそぼう! がんちゃん分光器】
【スーパーボールをつくろう!】

Written by 小林
(2012.03.26)

技術職員が講師を務め、学童保育クラブの児童へ理科実験を実施しました

「地域と連携した学童保育支援プログラム」(本学「男女共同参画推進室」主催)の一環として、本学近隣の学童保育クラブに通う小学校1~6年生を対象とした理科実験教室が、8月10日(水)に本学で開催されました。

このプログラムでは、当技術室 藤崎聡美 技術専門職員が理科実験講師を務め、児童25名と共に「発泡入浴剤作り」の実験を行いました。

また、実験時にはテレビ局の取材が入り、同日18:15~放送の「MITスーパーニュース(岩手めんこいテレビ/フジテレビ系列)」にて実験の様子や、藤崎技術専門職員へのインタビューが放送されました。

本学男女共同参画推進室では、女性研究者の裾野拡大を目的とした活動の一環として理科実験等をプログラム内に組み込んでおります。女性技術職員がこのプログラムの実験講師を担当したことは、当技術室にとっても大変意義深いと感じています。