平成28年7月22日金曜日15時から、岩手大学・岩手大学理工学部共催による第9回岩手大学加速器科学連続セミナー/岩手大学理工学部連続講演会が、岩手大学復興祈念銀河ホールで開催されました。
講演会のテーマは「ビームラインを作る・使う」でした。
講演会案内のHP
http://www.iwate-ilc.jp/archives/1522
その講演会では、分子科学研究所の技術職員の中村永研さんの講演もありました。
中村さんは分子科学研究所技術課光技術班の班長を務め、極端紫外光研究施設(UVSOR)で活躍している方です。
演題は、ビームラインの立ち上げ~装置と対話しましょう~。
技術職員による講演ということで、門外漢ではありましたが、聴講させていただきました。
ビームラインとは、加速した電子の軌道を曲げる際に発生する放射光(シンクロトロン光)を利用するための複合的な装置で、ビーム(同じ方向に運動する粒子の集団が作り出す流れ)の発生源から、ビームを通すための導管、ビームを使う実験装置、その実験装置を納めた実験ハッチまでを含めた一連の装置群を指している(らしい。。。)。
※例えば分子化学研究所極端紫外光研究施設(UVSOR)のビームライン一覧
https://www.uvsor.ims.ac.jp/about/beamlines_list.html
こういった講演会で、技術職員が講師を務めるのは、ここら辺では珍しいことではないでしょうか。
(後で知りましたが、今回のセミナーは化学・生命技術Gの藤崎技術専門職員が企画し、企画に沿った講師を電気電子通信技術Gの千葉技術専門職員が紹介したということだったようで、技術系職員の目線だったんですね~、納得。)
講演内容はビームラインにおける設計や稼働に関する現場での工夫など、研究者とは違った立場・視点での内容で、同じ技術職員として、とても興味深いものがあました。
東北放射光施設(SLiT-J)計画ではビームラインのアイデア募集があるらしく、中村さんの設計案なども披露していただき、というか、冒頭で岩手大学からもアイデアを出してみて下さいという、いわば「挑戦状」を叩き付けられたような感じで、内心「う゛~ん」と唸りながら、普段より真剣に?拝聴致しました。
※SLit-Jでは、施設と同時に建設を予定している 10本のビームラインについて、そのエンドステーションのデザインを広く公募することにしているようです。
http://www.slitj.tagen.tohoku.ac.jp/DesignCompetition/index.html
残念ながら金曜日の午後ということで、学生実験などと業務が重なり、技術系職員の聴講が少なかったことは、聴講した一人として少々残念に思いました。
もし機会があれが、中村さんのお話を、もっと時間をとってお聞きしたいと思いましたし、技術系職員を中心とした今回のような講演会があってもいいかな、とも思いました。
中村さん、ありがとうございました。
また、盛岡までいらして下さい。
Written by Pochi
(2016.7.27)
※文中に「技術職員」と「技術系職員」の二通りが出てきますが、同じ意味です。ただ、岩手大学の職員に限り、「技術職員」が職位名となっているので、一般呼称の「技術職員」ではなく「技術系職員」として書き分けている部分があります。