配属先研修報告(材料機能技術グループ)

平成29年9月5日(9:00~11:30)に配属先研修を実施しました。
受講対象は平成27年度以降に採用された技術系職員3名です。

テーマは、引張試験および電子線マイクロアナライザー(Electron Probe Micro Analyzer)による材料評価です。

研修の一連の流れを紹介します!

1.引張試験によるアルミニウムおよび軟鋼の強度測定
①試験片(アルミニウムおよび軟鋼)の特性の説明
②応力―ひずみ曲線による弾性係数、降伏点、塑性変形の説明
③アルミニウムおよび軟鋼の引っ張り試験の実演
★軟鋼が切れた瞬間の衝撃は「ズドーン!」と響きました。

IMG_0788  IMG_0790

 

2.Electron Probe Micro AnalyzerによるSKD11(合金工具鋼)の表面分析
①講師および受講者の仕事の紹介(業務との関連についてなど)
②装置の説明
③講師によるデモンストレーション(10円硬貨の定性分析)
④受講者による実習:SKD11(合金工具鋼)の評価
・2次電子像の撮影
・定性分析
・標準試料データの読み込み(講師)
・定量分析および定性分析データとの比較
⑤まとめ(講師)

IMG_0796IMG_0797IMG_0799IMG_0800

◎今後の業務に反映されることを期待します♪

 

Written by 材料機能技術G
(2017.9.5)

平成28年度 材料機能グループ グループ研修

少し前になりますが、材料機能技術グループのグループ研修を行いました。
その内容をご紹介します。

 

平成28年度 材料機能技術グループ グループ研修

熱分析(TG-DTA,DSC)入門

  • 日時:平成28年9月5日(月) 9:00~16:30
  • 場所:理工学部2号館306室、109室
  • 参加者:7名

佐々木(茂)、村上、伊藤、岩渕、野中(以上 材料機能技術グループ)
菊池(機械工学技術グループ)
中村(大)(土木・環境技術グループ)

 

 

まずは、熱分析の基本を理解するため、理工学部・山口勉功先生の講義を受けました。

講義

 

続いて、装置を使った測定に入りました。
使用する装置は

DSC

DSC(Deferential Scanning Calorimetry:示差走査熱量計)です。

 

今回の最終目標は、DSC曲線からサンプル試料(PET)の比熱容量を算出することです。
測定は、次のような手順で行いました。

  1. 空容器のDSC測定をする
  2. 比熱容量が既知の基準物質(サファイア)のDSC測定をする
  3. サンプル試料(PET)のDSC測定をする
  4. 1~3のデータを重ね合わせる
  5. 次式よりサンプル試料(PET)の比熱容量を算出する
    算出式
    重ね合わせ

 

結果は次のようになりました。

補正前

縦軸はDSC値、横軸は温度を表しています。
本来は低温側および高温側双方にベースライン(DSC値が横軸に対して平行になっている部分)が現れるように温度プログラムを設定しますが、今回は時間の関係で、サファイアおよびPETの低温側のデータはとりませんでした。

 

各データを縦軸方向に平行移動すると・・・

補正後

高温側のベースラインが重なりました。

 

このグラフを基に、前述の算出式を用いてサンプル試料(PET)の比熱容量を求めました。
各温度における比熱容量は次のとおりです。

PET比熱容量

 

今回の研修では、DSCによる比熱容量測定法の一連の流れをつかむことができました。

 

【研修中の様子】

試料の秤量
試料の秤量
試料のセット
試料のセット
測定結果の確認
測定結果の確認

 

 

Written by 材料機能G
(2016.11.10)

FE-EPMAのトラブル対応

先日、理工学部2号館にあるFE-EPMAにトラブルが発生しました。
使用していた学生さんいわく、SEM像の観察中、突然画面が暗くなってしまったとのこと。
主に管理されている方が不在でしたので、保守勉強中である私が初期対応をすることになりました。

 

まず、状況を確認したところ、どうやら電子銃が落ちているようでした。
試料に電子線が照射されなければ、各種信号を試料から得ることができないため、像が観察できなくなったことは理解できます。

 

ここで、役に立ったのが昨年まとめた「停電対応マニュアル」でした。
装置納品時のマニュアルから装置の停止と立ち上げの部分をピックアップしたダイジェスト版で、昨年、停電対応作業に従事する際に作成したものです。

停電対応マニュアル

 

特にエラーメッセージが表示されていなかったので、マニュアルに基づき、電子銃の起動を行いました。
作業は順調に進み、再びSEM像が観察できるようになりました。

 

後で主管理者に聞いたところ、1か月ほど前にも同様の現象が起きていて、そのときは再起動したら元通り使えるようになったとのことでした。
ただ原因がはっきりしないため、8月末の業者による点検の際にあわせてみてもらうとのことでした。

 

今回の件を通して、保守の勉強をしたことで以前よりも装置についての理解が深まっていることを実感できました。

 

Written by mito
(2016.8.19)

装置操作マニュアルの更新(クロスセクションポリッシャ編)

今回は、試料作製装置「CP(クロスセクションポリッシャ)」のお話です。

CP全体
日本電子社製(IB-09020CP)

 

CPは、試料表面にイオンを照射してミリングし試料を作製する装置です。
本学では、EBSDやEPMAの試料を作製するのに用いています。
私は、装置導入時から管理・運用を担当しており、ユーザー向けのダイジェスト版操作マニュアルも作成していました。
実はこのマニュアル、文章だけで構成されていてユーザーから「わかりにくい」との声がありました。

CPマニュアル(更新前)
更新前のマニュアル

 

そこでこの度、現在のマニュアルを写真付きのものに更新することにしました。
写真を撮るのは簡単かなと思っていたのですが、どの位置から撮ったらわかりやすいかな・・・などと考えていたらなかなか大変な作業になりました。

 

完成したマニュアルです。

CPマニュアル(更新後)その1
更新後のマニュアルその1
更新後のマニュアルその2
更新後のマニュアルその2

 

やっぱり写真があった方がわかりやすいですね。
わかりやすいマニュアルになったので、ユーザーも増えてほしいものです(←管理者からのお願い)。

 

 

Written by mito
(2016.7.21)

グループ内 Excel活用講習会

技術系職員の仕事の一つに、装置の管理業務があります。
その中で、どの装置にも共通してある『利用時間の集計作業』。
この作業は意外と手間がかかり、装置の管理を担当している材料機能技術グループのメンバーも頭を悩ませていました。

 

そこで今回、Excelに詳しい村上技術専門職員を講師に、Excelの機能を活用した効率のよいデータ集計方法を学びました(2016.6.23)。

 

    • テーマ
      Wordで作成された利用記録簿から、ユーザー(利用責任者)ごとの利用時間を集計する。

 

    • 大まかな工程

1.Wordで作成された表をコピーしExcelに貼り付ける

Word表
Wordで作成された表
Excel表
Excelに貼り付け

 

2.表の修正

3.ピボットテーブルによる集計

 

 

    • ポイント

1.セルEに入力された”Hour meter”のデータ(開始時および終了時のメーター値)を、「データ」タブの「区切り位置」機能を用いて、開始時のメーター値と終了時のメーター値を別々のセルに分割する。
※この作業により、セルの計算処理ができるようになり、利用時間が算出できる。

セルの分割前
分割前(開始時の値 - 終了時の値)
セルの分割後
分割後(E列:開始時の値、F列:終了時の値)

 

2.「挿入」タブの「ピボットテーブル」の機能を用いて、利用責任者ごと集計結果が容易に作成できる。
※基になる表を正確に作成することがとても重要である。

集計結果
ピボットテーブルによる集計

 

Excelの便利な機能を知ることができ、よい講習会となりました。
今後もグループ内でこのような講習会を開催していく予定です。

講習会の様子その1
講習会の様子その1(写真提供:佐々木グループリーダー)

 

講習会の様子その2
講習会の様子その2(写真提供:佐々木グループリーダー)

 

 

 

Written by mito
(2016.6.27)