平成28年度 材料機能グループ グループ研修

少し前になりますが、材料機能技術グループのグループ研修を行いました。
その内容をご紹介します。

 

平成28年度 材料機能技術グループ グループ研修

熱分析(TG-DTA,DSC)入門

  • 日時:平成28年9月5日(月) 9:00~16:30
  • 場所:理工学部2号館306室、109室
  • 参加者:7名

佐々木(茂)、村上、伊藤、岩渕、野中(以上 材料機能技術グループ)
菊池(機械工学技術グループ)
中村(大)(土木・環境技術グループ)

 

 

まずは、熱分析の基本を理解するため、理工学部・山口勉功先生の講義を受けました。

講義

 

続いて、装置を使った測定に入りました。
使用する装置は

DSC

DSC(Deferential Scanning Calorimetry:示差走査熱量計)です。

 

今回の最終目標は、DSC曲線からサンプル試料(PET)の比熱容量を算出することです。
測定は、次のような手順で行いました。

  1. 空容器のDSC測定をする
  2. 比熱容量が既知の基準物質(サファイア)のDSC測定をする
  3. サンプル試料(PET)のDSC測定をする
  4. 1~3のデータを重ね合わせる
  5. 次式よりサンプル試料(PET)の比熱容量を算出する
    算出式
    重ね合わせ

 

結果は次のようになりました。

補正前

縦軸はDSC値、横軸は温度を表しています。
本来は低温側および高温側双方にベースライン(DSC値が横軸に対して平行になっている部分)が現れるように温度プログラムを設定しますが、今回は時間の関係で、サファイアおよびPETの低温側のデータはとりませんでした。

 

各データを縦軸方向に平行移動すると・・・

補正後

高温側のベースラインが重なりました。

 

このグラフを基に、前述の算出式を用いてサンプル試料(PET)の比熱容量を求めました。
各温度における比熱容量は次のとおりです。

PET比熱容量

 

今回の研修では、DSCによる比熱容量測定法の一連の流れをつかむことができました。

 

【研修中の様子】

試料の秤量
試料の秤量
試料のセット
試料のセット
測定結果の確認
測定結果の確認

 

 

Written by 材料機能G
(2016.11.10)