H29年度アカデミックインターンシップ(社会基盤・環境コース)

 

アカデミック・インターンシップ

大学で日々の学習や、将来進む可能性のある学問分野に関連した研究活動等を、試行的に体験する。大学への視野を広げ、教育内容への理解を深めるとともに、学習意欲や進路意識を高めることを目的とする。

 

理工学部で今年度も開催されたアカデミック・インターンシップでは、

参加する高校生が、それぞれ興味のある分野・コースにつき、

二日間にわたって研究の一端を体験しました。

 

土木・環境技術Gの主な支援先である「社会基盤・環境コース」でも、

5名の高校生を受け入れ、4つの研究室で講義や実験が行われました。

そのうち、技術職員が支援した実験の一部を紹介します。

 


 

「旧松尾鉱山坑簸廃水処理プロセスにおけるFe2+の酸化鉄と鉄イオンの除去」

  • 日時:平成29年8月7日 13:30~17:00
  • 場所:環境システム工学実験室

 

最初に旧松尾鉱山から排出された鉄を含む廃水の処理の説明をして、

酸化鉄と鉄イオンを除去する実験を、模擬水を用いて行いました。

 

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説明風景

 

Fe2+とFe3+の300mg/lの溶液を用意して、

それぞれpHを2.0から9.5まで、5種類に調整してもらい、

5分間撹拌した後、ろ紙にて濾過を行ってもらいました。

 

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pH調整

 

濾過し終わった試料を分光光度計にかけて鉄の濃度を測定しました。

 

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作成された試料

 

その後、鉄の溶解度について考察を行ってもらい、

終了予定の17時にはデータをまとめ終わって解散となりました。

 


 

「地盤の表面波探査」

  • 日時:平成29年8月8日 13:30~15:00
  • 場所:理工学部ものづくり研究棟中庭

 

地下の浅い部分の状態を調べる表面波探査を体験してもらいました。

天候不良のため理工学部ものづくり研究棟の中庭で実施しました。

ものづくり研究棟の中庭はドーム状の屋根があるので雨天でも心配ないのですが、

予定していた24m測線がとれないため、12m測線で実施しました。

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通常よりも大きい掛矢で地面をたたき、振動を発生させます。

その振動を等間隔に並べた地震計で観測して、地下の様子を調べます。

高校生にも掛矢での起振をやってもらいました。

ain_05

 

Written by 土木・環境技術G

(2017.8.24)

平成28年度ものづくりエンジニアリングファクトリー学内カンパニー成果報告会

 

平成29年2月27日(月)理工学部12番教室において、「平成28年度ものづくりエンジニアリングファクトリー学内カンパニー成果報告会」が行われました。

 

現在、農学系技術部1名、理工学系技術部3名の技術系職員がカンパニー内の技術顧問として技術指導・支援をしております。

技術顧問-3

 

成果発表はパネル展示およびショートプレゼンテーション形式で行われ、全10カンパニーの企業活動が報告されました。

 

パネル展示のブースには、カンパニーへの部品製作支援を行っている高度試作加工センターの加工サンプルや大会などでの受賞成果などが展示されました。

パネル

 

Written by takeda and mito
(2017.2.28)

 

切削加工ドリームコンテスト「芸術賞」

DMG森精機(工作機械メーカ)が主催する第12回切削加工ドリームコンテストへ応募しました。
応募した作品は、以下のもの。

結果、「芸術賞」。

fig02

作品は第28回日本国際工作機械見本市(2016年11月17~22日,東京ビッグサイト)の
ブース内にて展示され、授賞式もそのイベントの一部として行われました。

切削加工ドリームコンテストHP
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/dreamcontest/

加工モデルや作品テーマは自由。大学や研究機関はアカデミック部門に分類されます。
今回、当部門への応募数は16作品。

このコンテストに取り組む上で注意したことは、日頃の業務に役立つ加工内容であること。

加工の相談や製作にご協力頂いた方々に感謝申し上げます。

Written by k
(2016.11.28)

平成28年度 材料機能グループ グループ研修

少し前になりますが、材料機能技術グループのグループ研修を行いました。
その内容をご紹介します。

 

平成28年度 材料機能技術グループ グループ研修

熱分析(TG-DTA,DSC)入門

  • 日時:平成28年9月5日(月) 9:00~16:30
  • 場所:理工学部2号館306室、109室
  • 参加者:7名

佐々木(茂)、村上、伊藤、岩渕、野中(以上 材料機能技術グループ)
菊池(機械工学技術グループ)
中村(大)(土木・環境技術グループ)

 

 

まずは、熱分析の基本を理解するため、理工学部・山口勉功先生の講義を受けました。

講義

 

続いて、装置を使った測定に入りました。
使用する装置は

DSC

DSC(Deferential Scanning Calorimetry:示差走査熱量計)です。

 

今回の最終目標は、DSC曲線からサンプル試料(PET)の比熱容量を算出することです。
測定は、次のような手順で行いました。

  1. 空容器のDSC測定をする
  2. 比熱容量が既知の基準物質(サファイア)のDSC測定をする
  3. サンプル試料(PET)のDSC測定をする
  4. 1~3のデータを重ね合わせる
  5. 次式よりサンプル試料(PET)の比熱容量を算出する
    算出式
    重ね合わせ

 

結果は次のようになりました。

補正前

縦軸はDSC値、横軸は温度を表しています。
本来は低温側および高温側双方にベースライン(DSC値が横軸に対して平行になっている部分)が現れるように温度プログラムを設定しますが、今回は時間の関係で、サファイアおよびPETの低温側のデータはとりませんでした。

 

各データを縦軸方向に平行移動すると・・・

補正後

高温側のベースラインが重なりました。

 

このグラフを基に、前述の算出式を用いてサンプル試料(PET)の比熱容量を求めました。
各温度における比熱容量は次のとおりです。

PET比熱容量

 

今回の研修では、DSCによる比熱容量測定法の一連の流れをつかむことができました。

 

【研修中の様子】

試料の秤量
試料の秤量
試料のセット
試料のセット
測定結果の確認
測定結果の確認

 

 

Written by 材料機能G
(2016.11.10)

FE-EPMAのトラブル対応

先日、理工学部2号館にあるFE-EPMAにトラブルが発生しました。
使用していた学生さんいわく、SEM像の観察中、突然画面が暗くなってしまったとのこと。
主に管理されている方が不在でしたので、保守勉強中である私が初期対応をすることになりました。

 

まず、状況を確認したところ、どうやら電子銃が落ちているようでした。
試料に電子線が照射されなければ、各種信号を試料から得ることができないため、像が観察できなくなったことは理解できます。

 

ここで、役に立ったのが昨年まとめた「停電対応マニュアル」でした。
装置納品時のマニュアルから装置の停止と立ち上げの部分をピックアップしたダイジェスト版で、昨年、停電対応作業に従事する際に作成したものです。

停電対応マニュアル

 

特にエラーメッセージが表示されていなかったので、マニュアルに基づき、電子銃の起動を行いました。
作業は順調に進み、再びSEM像が観察できるようになりました。

 

後で主管理者に聞いたところ、1か月ほど前にも同様の現象が起きていて、そのときは再起動したら元通り使えるようになったとのことでした。
ただ原因がはっきりしないため、8月末の業者による点検の際にあわせてみてもらうとのことでした。

 

今回の件を通して、保守の勉強をしたことで以前よりも装置についての理解が深まっていることを実感できました。

 

Written by mito
(2016.8.19)