社会基盤・環境コース3年次現場見学会

 

2018年9月26日(水)

理工学部システム創成工学科社会基盤・環境コース3年次の現場見学会が行われました。

参加者は約70名(うち引率教職員5名)、大型バス2台になるため、

現場のスペースを考えて二手に分かれ、4つの現場を見学する行程となりました。

 

① 簗川ダム

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去年の見学会に引き続き、今年も簗川ダムを見学させていただきました。

現在の進捗状況は堤体高さで49.5m / 77.2m(64%)、

打設済みのコンクリートは167,200m3にもなるそうです。

我々が行ったタイミングでは少し気温が高く、コンクリートの打設は一時停止中でした。

完成すると、堤体高さや堤頂長さは岩手県1位ではないものの、

総貯水量は1位の「効率のいいダム」になる予定とのことです。

 

② 平津戸 松草道路 与部沢トンネル

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トンネルの掘削先端(切羽:きりは と呼んだりします)を見学させていただきました。

巨大な岩肌と対峙した時のあの感覚は人類共通なのでしょうか。

NATM(New Austrian Tunneling Method)工法という施工法により、

発破・ずり出し→コンクリート吹付・支保工(曲げた鉄骨)設置→ロックボルト挿入

を行い、山が崩れないよう補強しながら掘り進めます。

補強後のトンネル壁面にはいくつもの変位計が取り付けられ、

山の動きをリアルタイムで確認しているとのことです。

 

③ 岩井地区 新栃渕橋 岩井地区トンネル

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②の現場の次の段階として、

防水シートの設置、覆工コンクリートの打設を行っている現場がコチラです。

写真右上?で目を光らせているのは「セントル」というコンクリートの移動式型枠です。

長さ10.5m、内側からトンネル壁側に生コンを流し、固まったら前進、を繰り返します。

型枠から外れた後もコンクリートの水和反応は続くため、

それを阻害しないような工夫が今後数十年の耐久性のために重要になります。

 

④ 都南川目道路 手代森トンネル
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さらに③の現場の次の工程として、

実際に車道となるコンクリート舗装をしている現場がコチラです。

右の写真で皆さんが立っているのがそのコンクリートで、

滑り止め・排水のための工夫がされています。

この後、電気工事や換気設備の取り付けを行って、めでたく開通となります。

 

 

今回の現場見学会は特に、

トンネルが出来るまでの各段階を一日で見ることができた貴重な機会だったと思います。

 

Written by 土木・環境技術G

(2018.10.12)

平成30年度 配属先研修(土木・環境技術グループ)

 

土木・環境技術グループにて、

今年度、理工学系技術部に配属された田沼さんの配属先研修を行いました。

日時:平成30年5月8日(火) 9:00~11:00

内容:

  • グループの業務紹介(実験実習、個々の研究支援について)
  • 測量学実習体験(トータルステーションによる測距・測角)
  • 3D CAD実習体験(盛岡市近郊の道路設計)
  • フリートーク
研究室支援業務の説明
研究室支援業務の説明
トータルステーションの説明
トータルステーションの説明
設計道路の立体模型紹介
設計道路の立体模型紹介
3D CAD説明
3D CAD説明

 

最後のフリートークでは、

土木・環境と、化学・生命の業務の違いや共通する分析装置について、

また田沼さんの卒業研究、今後支援予定の業務等について話し、有意義な時間となりました。

 

Written by 土木・環境技術G

(2018.5.16)

ガラス加工研修

 

平成29年10月17日(火)~18日(水)

東北大学 多元物質科学研究所 ガラス工場にて、

ガラスについての実技講習を受講してきました。

今回の研修は、東北大学で学生向けに毎年行われているガラス講習の内容を、

特別に理工学系技術部の職員2名が受講させていただいた、大変ありがたい研修です。

 

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講師の職員さんの「引き伸ばし」実演。

簡単そうにやっていましたが、我々は軟らかい材料、タイミング勝負の作業に苦戦。

 

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ハンドバーナーによる「側管接合」。

偶然2人ともカメラ目線になってるように見えますが、

撮られていることに全く気づいていませんでした。真剣です。

 

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偏光板と波長板による「歪み観察装置」。

接合時に熱した部分の外側に縞模様( = 歪み)が見えます。

ガラスの熱加工後は、焼きなましや炉内での徐冷を行い、歪みを取り除きます。

 

研修を終えて、岩手大学でもガラス加工の導入ができないか現在検討中です。

ガラス工場の皆様、本当にありがとうございました。

 

Written by dnaka

(2017.10.27)

社会環境工学科3年次土木施工現場見学会

 

平成29年9月19日(火)

土木・環境技術Gが主に支援している社会環境工学科にて、

3年次土木施工現場見学会が行われ、技術職員2名も引率として参加しました。

 

毎年行われているこの見学会ですが、

今年は盛岡から宮古までの3箇所の工事現場で、

それぞれ ダムトンネル橋 の施工現場を見学する、盛り沢山な行程となりました。

 

① 簗川ダム本体工事現場

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初めに簗川ダムを見学させていただきました。

現場の方に説明いただいている間も、次から次へとコンクリートが打設されていき、

重機に取り付けられた四連バイブレーターの音が響きます。

コンクリート運搬にはクレーンとバケットが使われており、

一度に4.5m3ものコンクリートを運べるそうです。

(完成までに打ち込むコンクリートは約230,000m3!)

 

社会環境工学科の学生は全員、3年前期の実験でコンクリートを練っているため、

今回お話ししていただいたダムコンクリートの材料管理の仕組みや、

現場施工の注意点(温度管理、危険防止など)についても、

実感を持って聞くことができたかと思います。

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② 新区界トンネル工事現場

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次に見学させていただいた新区界トンネル。

このトンネルは宮古市と盛岡市を結ぶ復興支援道路の一部として、

「カーブの続く積雪寒冷地の峠道」という交通の悪条件を解消するため、

既設道路脇の山中を貫くように作られた、全長4,998mのトンネルです。

 

このトンネル壁面のコンクリートは、

耐凍害性を確保するための配合、施工方法が取り入れられ、

当学科の建設材料学研究室の研究と密に関わっています。

丁寧に施工をされた綺麗な表面のコンクリートだからこそ、

壁面をそのままスクリーンに、工事の説明ができるのかもしれません。

 

また、所長さん直々に、トンネル工事の緊張感や徹底した安全管理、

生活道路を作っているという使命感、等についてお話しいただき、

学生が進路を考える上での良い指針になると感じました。

 

③ 三陸沿岸道路 閉伊川橋上部工

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最後に、閉伊川橋の工事現場を見学させていただきました。

橋の鋼材が茶色く見えますが、これは耐候性鋼と呼ばれる部材で、

あえて発生させた安定錆がそれ以上の腐食を防いでくれるそうです。

橋の上部工にも登り、今日一番のスリルを味わいました。

 

この写真の反対側では、橋は街中の道路や鉄道の上を通っているため、

前2つの現場とはまた違った施工の苦労、工夫を聞くことが出来ました。

 

 

Written by 土木・環境技術G

(2017.9.28)

H29年度アカデミックインターンシップ(社会基盤・環境コース)

 

アカデミック・インターンシップ

大学で日々の学習や、将来進む可能性のある学問分野に関連した研究活動等を、試行的に体験する。大学への視野を広げ、教育内容への理解を深めるとともに、学習意欲や進路意識を高めることを目的とする。

 

理工学部で今年度も開催されたアカデミック・インターンシップでは、

参加する高校生が、それぞれ興味のある分野・コースにつき、

二日間にわたって研究の一端を体験しました。

 

土木・環境技術Gの主な支援先である「社会基盤・環境コース」でも、

5名の高校生を受け入れ、4つの研究室で講義や実験が行われました。

そのうち、技術職員が支援した実験の一部を紹介します。

 


 

「旧松尾鉱山坑簸廃水処理プロセスにおけるFe2+の酸化鉄と鉄イオンの除去」

  • 日時:平成29年8月7日 13:30~17:00
  • 場所:環境システム工学実験室

 

最初に旧松尾鉱山から排出された鉄を含む廃水の処理の説明をして、

酸化鉄と鉄イオンを除去する実験を、模擬水を用いて行いました。

 

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説明風景

 

Fe2+とFe3+の300mg/lの溶液を用意して、

それぞれpHを2.0から9.5まで、5種類に調整してもらい、

5分間撹拌した後、ろ紙にて濾過を行ってもらいました。

 

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pH調整

 

濾過し終わった試料を分光光度計にかけて鉄の濃度を測定しました。

 

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作成された試料

 

その後、鉄の溶解度について考察を行ってもらい、

終了予定の17時にはデータをまとめ終わって解散となりました。

 


 

「地盤の表面波探査」

  • 日時:平成29年8月8日 13:30~15:00
  • 場所:理工学部ものづくり研究棟中庭

 

地下の浅い部分の状態を調べる表面波探査を体験してもらいました。

天候不良のため理工学部ものづくり研究棟の中庭で実施しました。

ものづくり研究棟の中庭はドーム状の屋根があるので雨天でも心配ないのですが、

予定していた24m測線がとれないため、12m測線で実施しました。

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通常よりも大きい掛矢で地面をたたき、振動を発生させます。

その振動を等間隔に並べた地震計で観測して、地下の様子を調べます。

高校生にも掛矢での起振をやってもらいました。

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Written by 土木・環境技術G

(2017.8.24)